今回の記事では線形写像の合成と行列の積の関係を解説します。
5分から10分程度で読めるように作りました。
この記事を読めば、概要をつかむことができると思います。
目次
線形写像の合成と行列の積の関係
先に結論から言うと、線形写像の合成は行列の積に対応しています。
行列と線形写像についての記事は以下の記事を見てください。
行列と線形写像
今回の記事では行列と線形写像の関係について解説します。 結論から言うと、両者は同一視することができて、行列と線形写像は1対1に対応します。 この記事の著者 マス…
今、2つの線形写像$f: \boldsymbol{R}^n \longrightarrow \boldsymbol{R}^m$、$g: \boldsymbol{R}^m \longrightarrow \boldsymbol{R}^l$が与えられ、それぞれに対応する行列を$A$、$B$とします。
\begin{eqnarray}
f(\boldsymbol{x})=A\boldsymbol{x} \quad g(\boldsymbol{x})=B\boldsymbol{x}
\end{eqnarray}
このとき、2つの写像の合成
\begin{eqnarray}
g\circ f: \boldsymbol{R}^n \longrightarrow \boldsymbol{R}^l
\end{eqnarray}
に対応する行列を$C$とすると、$C$は以下のようになります。$$C=BA$$
これは以下のように簡単に証明することができます。
\begin{eqnarray}
g\circ f(\boldsymbol{x})=g(f(\boldsymbol{x}))=g(A\boldsymbol{x})=B(A\boldsymbol{x})=(BA)\boldsymbol{x}=C\boldsymbol{x}
\end{eqnarray}
このように、線形写像の合成には行列の積が対応してます。
初めて行列の定義を見たとき”なんでこんな面倒な計算をするのだろうか?”と疑問に思った方もいると思います。僕もそうでした。今回見たように、実は行列の積はそもそも線形写像の合成に対応するように定義されたものであることが分かります。
まとめ
今回、行列の積が線形写像の合成に対応していることを学びました。
前回の記事と合わせて読むとより理解しやすくなると思います。
行列と線形写像
今回の記事では行列と線形写像の関係について解説します。 結論から言うと、両者は同一視することができて、行列と線形写像は1対1に対応します。 この記事の著者 マス…
次回は行列式について解説しようと思います。
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